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■品質規格
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項 目 |
当社規格 |
JIS規格
(K1402)
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フレーク品 |
液体品 |
三酸化クロム(CrO3)
硫酸塩(SO4) |
99.7%以上
0.08%以下
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60.0±0.5%
0.05%以下
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99.5%以上
0.1%以下
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包 装
製品名 |
容 器 |
容 量 |
フレーク無水クロム酸 |
18L缶
200Lドラム |
25kg
250kg |
液体クロム酸 |
タンクローリー |
8〜10t |
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■クロムメッキへの利用
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フレーク無水クロム酸の最も大きな需要分野はクロムメッキで、フレーク無水クロム酸250g/l 硫酸2.5g/l の水溶液はサージェント溶液と呼ばれ、古くから代表的な、しかも標準的なクロムメッキ浴として使用されております。
この浴でメッキされたクロムは美しい金属光沢を呈し、しかも他のどの金属メッキに比べても硬度が最も高く、耐摩耗性、耐蝕性の点で非常に優れております。いわゆる装飾クロムメッキは、これら特性のうち美観と耐蝕性を利用したもので、硬質クロムメッキは硬度と耐摩耗性を利用したものとされております。
装飾クロムメッキは素地にまずニッケルをメッキし、その上にクロムメッキをするのが一般的で、主として自動車部品、家庭用電気機器その他の器具類として日常生活に役立っております。
一方硬質クロムメッキは素地上に直接クロムメッキして切削工具、プレス及び鍛造の鋳型、精密機械の摩耗箇所など産業界に不可欠のものとされており、今後産業の発展にともないますますその重要性が発揮されるものと期待されております。 |
■金属表面処理剤としての利用
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メッキも金属表面処理の大きな一つの分野を占めておりますが、フレーク無水クロム酸はそれ以外のいわゆるクロメート処理などの面でも大いに活用されており、それに使用される量は重クロム酸ナトリウムよりはるかに多くなっております。
浸漬処理によるクロメート皮膜の生成機構はすでに重クロム酸ナトリウムの項で述べてありますが、単に無機化合物のみの浴中に浸漬するだけでクロメート皮膜が生成するのはアルミニウム、銅、亜鉛メッキ鋼板などで、一般の鋼板には生成しません。これは鉄鋼の場合、浸漬すると直ちに表面に不溶性の酸化皮膜が生成して酸化還元反応が進行しなくなることが原因しております。従って鉄鋼にクロメート皮膜を定着させる場合には、クロム酸を何らかの方法で強制的に還元して、3価の酸化クロムを生成させて鉄鋼表面に附着させねばなりません。その還元方法には電気的に行う方法と有機還元剤を用いる方法とがあります。
またアルミニウムの化成処理にもフレーク無水クロム酸は燐酸と併用され、燐酸処理を行った後にクロメート処理する方法と、クロム酸と燐酸の混合液で処理する方法とがあります。前者からはほとんど無色の皮膜が、後者からは淡青緑色の皮膜が形成されます。それら皮膜は陽極酸化皮膜に匹敵する耐蝕性と耐摩耗性があるといわれております。
さらに無水クロム酸は特殊なアルミニウムの陽極酸化処理、または陽極酸化処理後の封孔処理に用いられるほか、濃燐酸に添加してアルミニウム及びステンレスの電解研磨にも利用されております。 |
■有機合成工業への利用
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無水クロム酸は重クロム酸ナトリウムと同様に医薬、香料、染料などの有機合成工業に酸化剤として利用されております。
またメタノールの合成触媒であるZnO-Cr2O3触媒や、Phillipon Chemical Co.,法として有名なポリエチレンの重合触媒、アセチレンよりアセトンを合成する際の水加反応触媒であるFe-Cr触媒などの製造にも無水クロム酸が使われております。 |
■その他の利用
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フレーク無水クロム酸は、塩化クロム、硫酸クロムなどの各種クロム化合物の原料と広い用途をもっております。
また緑色無機顔料および研磨剤である酸化クロム、有機合成や触媒に利用される塩化クロムの原料、あるいは繊維や紙類の防水サイジング剤となるキロンの原料として、さらには各種の無機及び有機クロム化合物の原料として広い用途をもっております。 |
製造元:日本化学産業株式会社
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